別離はいつも突然にやってくる。
患者ごとのスペースはカーテンで区切られ基本的に患者同士が顔を合わせることが少ない平安貴族スタイルであるが、姿が見えないがゆえに声はより鮮明なイメージで届いてくる。
4人部屋の病室の隣のスペースにいる「歯ぎしりオジ」。オジと看護師さんのこれまでのやりとりで、病状が軽いこと・退院が近いことは認識していた。
その退院の日が突然訪れたのである。
朝8時、オジのスペースからゴソゴソと音が聞こえる。
「歯ぎしりオジさん、いよいよ退院の日ですねえ」と看護師さん。
「奥さんが1階にいらっしゃっているので準備ができたら降りてきてくださいね」
「ありがとうございます。すぐに向かいます」
物腰の柔らかい歯ぎしりオジの人となりをその口調から感じ取ることができる
荷づくりらしき気配が収まったその数瞬後に歯ぎしりオジの声が病室に響いた。
「短い間でしたがお世話になりました! お騒がせしました!」
(ん?もしかして病室の我々へのメッセージか?)
看護師さんは少し前に退室していたのでそのように思われたが、あまりに突然だったのと、カーテンに遮られているため反応できなかった。向かいのベッドの独り言多めジイも「うん?」と反応したのみだった。
歯ぎしりオジ、律儀な人だぜ・・・
もうアンタは「歯ぎしリチギオジ」だぜ!!
次回、「驚愕! 歯ぎしリチギオジは四天王最弱!?」ぜってえ読んでくれよな!
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