2024年11月下旬
「そろそろ車いすからステップアップをしましょうか」
理学療法担当の眼光ニキから提案があった。
脳梗塞発症から1か月と少し。右足の回復もゆっくりとではあるが進んでおり、装具をつけた状態での歩行が安定してきていた。
「望むところです」と答えた僕に、眼光ニキが持ってきたものが以下。
パラマウントベッド(株)の歩行器KA-392だ。
「こ、これは、、、もしや、これ?」
そう、1歳前後の赤ちゃんが利用する歩行器と、考え方は同じである。手遊びできるおもちゃはついていないが代わりにブレーキと小物が置ける台が装備されている。
グリップはエアロポジションが取りやすい設計になっており、快適なライディングが期待できるオールラウンドモデルである。
車いすでの移動に慣れてきたところで手放すのは後ろ髪ひかれるが、社会復帰に向けてなるべく最短距離を進んでいきたい。
車いすを返却し、新たな歩行器で第一歩を踏み出す。
(遅っそ・・・)
車いすでは病院内一の巡航速度(推定6km/h)を誇っていたが、自分の足での移動となると健常時の歩行速度よりも遅いため、とにかく時間がかかる。
ただこれも社会復帰のためのクリアすべきハードルである。
国会の牛歩戦術要員に雇ってもらえないだろうか。
次回、「吉田君!速やかに投票をお願いします!」ぜってえ読んでくれよな!