徒然草ァ!! 余滴

リハビリ随筆

ギャンブル嫌い・堅実が好き

ギャンブルが嫌いだ。

パチンコ・競馬・競輪などいずれも嗜まない。自分の運勢に自信がないため勝てる気がしないのだ。母親の遺言にも「ギャンブルはするな」とある。(母は存命)

昔からその志向はあったものの、決定づけたのは17年ほど前のとある出来事。

 

当時勤め先に15ほど年上の先輩O氏がいた。彼は中々にアナーキーで、半年に一度くらいしか事務所に顔を出さない。たまに顔を見せたかと思うと、昔の武勇伝を語ってくれる。

 

「吉田ぁ、オレは昔に事業部長と揉めてなぁ。あまりに腹が立ったんで、夜中に事業部長室に忍び込んでデスクの引き出しの中にウ〇コをしてやろうとしたんだよ。」

「引き出しを開けて机の上でキバったんだけど、さすがに屁しか出なかったよ。」

 

アナーキーである。机の上でキバるまでは実現したんだ。

 

そんなO氏がある日、真剣なまなざしで語りかけてきた。

「吉田ぁ、南アフリカのランドは良いぞぅ。」

 

詳しく話を聞くと、O氏はどうやらFX(外国為替証拠金取引)にはまっているらしく、しきりに南アフリカランドを勧めてきた。FXとは「証拠金を預け入れ、その何倍もの金額の外国為替取引(通貨の交換)を行う金融商品」とのこと。

外国為替のチャートに連動し、外貨預金の何倍もの利益 or 損失が出る。O氏は当時200倍の掛け率でやっていたらしい。(現在は規制され25倍が上限)

 

O氏のアナーキズムに憧れを抱いていた僕は、小倍率でFXを始めてみた。

確かにチャートに連動し、数秒で数百円の上下がある。帰宅後の夜にチャートをにらみながら細かく売り買いをする日々が始まった。

無理をしない範囲で売り買いをしていると、一晩で数千円の利益が出てよい気分だった。(同様に損失を被る日もある)

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FXを始めて数週間後、O氏に社食で会ったのでFXの経過報告をした。

「ランドいい感じっすね!数万円アップしてますよ!」

その時社食のテレビから、うっすらとニュースの声が。

「米国の大手投資銀行、リーマン・ブラザーズが本日、経営破綻しました。創業から150年以上の歴史を持つ老舗金融機関が倒産するのは、極めて異例の事態です。」

 

帰宅後いつものようにFXサイトに入ると、チャートグラフが見たことのない角度で右下がりを描いていた。

(???リーマン・ブラザーズ?サラリーマンの兄弟か?)

(いやいや、急下降した次の日は急上昇するだろ、買い増ししとこ。)

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次の晩、同様の角度でチャートは右下がりだった。

(いやいや、急下降した次の日は・・・以下同文)

 

この調子で1週間で車が買えるほどの損失を出した。

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17年経ち、当時のO氏と同じくらいの年齢になってしまった。

さて後輩に南アフリカランドをお勧めして回ろう。